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日本ボクシング連盟、新国際競技団体WBに加盟?理由といきさつまとめ

日本ボクシング連盟、新国際競技団体WBに加盟?理由といきさつまとめ

日本ボクシング連盟(仲間達也会長)はこのほど、新国際競技団体「ワールドボクシング(WB)」に加盟する方針であることを明らかにしました。

国際オリンピック委員会(IOC)から資格停止処分を受けている国際ボクシング協会(IBA)に代わり、WBは現在国際統括団体としての資格を申請中。

2028年のロサンゼルス五輪で、日本のボクシング選手が参加できないといった事態を極力避けたいというのが加盟の主たる理由。

既に加盟している国際ボクシング協会(IBA)からは脱退しないため、重複加盟という恰好です。

日本以外でも同様の措置をとっている国が複数あります。

IBAは原則的には重複加盟を認めていないとのこと。

IBAの今後の姿勢いかんによって新たな対応を迫られる可能性もあります。

なぜ日本ボクシング連盟はWBに加盟するの?

こうした動きの背景には

IBAがIOCから国際統括団体としての資格をはく奪されている問題があります。

このため今回のパリ五輪、前回の東京五輪では、ボクシング競技はIBAによる管轄の下では行われず、IOCの作業部会が運営を担いました。

IOCのこうした措置に対し、IBAは対決姿勢を強めており、いまのところ混迷が続いている状態です。

その結果

2028年のロサンゼルス五輪でボクシングが実施競技から外れてしまう可能性も出ています。

新国際競技団体(WB)とはどんな団体?

新国際競技団体(WB)は、アメリカ、イギリス、オランダ、オーストラリア、ニュージーランドなどが最初の加盟国として昨年4月に発足しました。

このうち、オランダは既にIBAから退会しています。

発足後すぐにカナダ、ドイツ、ブラジル、アルゼンチン、スウェーデンなどが新たに加盟を表明。

今回の日本を含め、ロス五輪をにらんで今後加盟国が相次ぐ見通しです。

WB世界大会に日本人8人参加

なおWBは、今年9月にウランバートルでWB主催の世界大会を開催します。

これを受け、日本ボクシング連盟の仲間会長は

この大会に原田周大選手など男女計8人の選手を参加させる意向を表明しました。

加えてWBは、今年10月25日から11月5日にかけてアメリカのコロラド州で世界U19選手権を開催する予定です。

国際オリンピック委員会(IOC)との軋轢

実のところIBAとIOCとの間には、ずっと以前から確執がありました。

アマチュアボクシングの世界的統括団体IBAは、第二次世界大戦後間もない1946年にAIBAとの名称で設立されました。

以来、IOCはIBAをボクシングの統括団体として承認していましたが、2016年のリオデジャネイロ五輪で採点などをめぐる審判の不正疑惑が浮上。

レフェリーおよび審判員の一部が大会から除外されるという異例の事態に発展しました。

具体的には試合結果を不正に操作するからくりが有ったことが発覚。

試合前の審判会議で既にどちらの選手が勝つのかが決まっていたというものでした。

アマチュアボクシングの世界的統括団体IBAとの軋轢

このほかにもIOCは、AIBAのガバナンスや財政、そして倫理面など組織運営上の多岐にわたる問題を指摘。

2021年にAIBAからIBAへと名称を変更したものの

組織運営において改善に向けた姿勢が無いと判断したIOCは、昨年6月に承認を取り消すことを決定しました。

オリンピックでの競技を統括することになっている国際競技連盟がIOCから承認を取り消されるのは史上初とのこと。

そこへ持ってきて、今回のパリ五輪ではボクシング女子において性別適格騒動が起こってしまいました。

この問題は、昨年の世界選手権でIBAが性適格をめぐって失格扱いとした二人の女性選手が、パリ五輪に参加しメダルを獲得してしまったというもの。

IOCとIBAの間で激しい批判の応酬に発展しました。

ロスオリンピックはボクシングあるの?

ロサンゼルス五輪の組織委員会は

今もってボクシングを実施競技から除外しており、予断を許さない状況です

IOCのトーマス・バッハ会長は、ロスアンゼルス五輪での実施が保留となっているボクシングについて

「来年の前半には結論を出したい」とコメント。

さらにバッハ会長は、ロス五輪でのボクシング実施の条件として

新たな統括団体の設立を挙げると共に、各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)に対し、IBAに加盟している国内連盟を除外するよう求めています。

まとめ

重複加盟について仲間会長は当初、IBA主催の世界選手権などに選手が出場できなくなるリスクを重んじる立場を貫いていました。

IBAとWBの大会スケジュールが重なってしまう場合には、選手の希望や大会の価値などをもとに、どちらに参加するかはその都度決定するとしていました。

選手のことを第一に考えようとする仲間会長の親心が偲ばれる判断でしょう。

しかし、バッハ会長はIBAに加盟している国内連盟を除外する方針。

重複加盟のままだと2028年ロス五輪に参加できなくなる可能性が大きくなってしまいました。

日本ボクシング連盟は深刻な決断を迫られています。

とまれ、ボクシングという歴史と伝統のあるスポーツが、オリンピックで競技されなくなったならば、多くの人が寂しい思いを募らせることでしょう。

新国際競技団体WBが、一日も早くボクシングの統括団体としてIOCから承認されることを望みたいですね。

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